生成AIの技術向上に伴うABC,ARC,AGCにおけるルール変更について

これまで生成AI対策ルールはABC/ARCのみに適用されておりましたが、生成AIの技術向上に伴い[こちらの記事](https://atcoder.jp/posts/1563)の通りAGCにおいても生成AIの使用を制限することとなりました。 また、これまでの生成AI対策ルールが抱えていた問題点についても見直しを行い、いくつかの大きな変更を行いました。必ず変更点をご確認ください。 ## ルール 詳細なルールは、以下のページをご確認ください。 - [AtCoder生成AI対策ルール - 20251003版](https://info.atcoder.jp/entry/llm-rules-ja) ルールの概要を説明すると、以下のような内容となっています。 - 生成AIの使用は、ルールで指定されたプロンプトに従った問題文の翻訳を除き、全て禁止されます。 - インターネット検索の使用についても制限があります。 ## ルールの変更点について - ABC,ARCに加え、**AGCがこのルールの対象となりました。** - **生成AIベースのコード補完の使用が禁止されました。** - 許容範囲の適切な線引きが困難であること、コーダーの想定以上に高度なコード補完候補が意図せず表示されないようにすることが困難であることから、生成AIベースのコード補完を許容するルールの運用は現実的でないと判断しました。 - お手数ですが、コンテスト参加時は生成AIベースのコード補完機能をオフにしていただく必要があります。 - **プログラミング言語の変換が禁止されました。** - 生成AIがユーザの指示を無視したコードを生成するケースが複数報告されており、こちらのルールについても運用が現実的でないと判断しました。 - インターネット検索についてのルールを見直しました。 - **生成AIによる概要の閲覧は原則禁止となりました。** - 「検索時に表示されてしまうと即ルール違反」のようなことはありませんが、意図的にこの機能を活用する等の悪質なケースはアカウント停止の対象となります。 - 自己判断が難しい場合は、以下のような生成AIによる概要を回避する対策をお試しください。 - 生成AIによる概要が表示されない・表示しない設定が可能な検索エンジンを利用する - 生成AIによる概要を非表示にするようなブラウザ拡張機能を利用する - Google検索の場合: - "https://www.google.com/search?udm=14&q=ここに検索キーワードを入れる" のようなURLからウェブモードで検索を行う(動作保証はなく、環境により利用できない場合があります) - 「Search Labsをオフにする」「" -ai" を検索文字列の末尾に付与する」等(これらの方法は不完全ですが、抑制する効果はあるものと思われます) - Google検索の「AIモード」のような**対話型の検索の禁止**を明記しました。 - その他、不明瞭であった部分の文言の調整を行いました。 詳細な diff は[こちら](https://github.com/atcoder/rules/commit/590abf713628dcfcfca7817fe70107db0303a4e8)をご確認下さい。 ---- ## ルールの作成指針と今後のルール変更について ルールの作成指針については、前回のルール制定から大きく変化しておりません。生成AIの進化に基づき、生成AIを用いたコーディングやアイデア出しに制限を加えた方が、競技プログラミングにおける「解法を考える楽しみ」を守れるのではないかと考え、ルールの更新を行いました。 競技プログラミングはもともと参加者の良心のもとで成り立っている競技であると考えています。競技プログラミングの文化を守るため、ぜひ協力をお願いします。明らかにルール違反をするユーザが多く検出された場合、特定のコンテストに対してその集団からのアクセスを禁止したり、法的措置を含む厳格な対応を考えています。 今後の生成AIの進化や、多くのユーザの動向に応じて、特定のサービスの利用を禁止するなど、さらなる制限を加える可能性があります。今後もルールは分かりやすい場所に掲載しますので、ご確認をよろしくお願いします。