今後の長期 AtCoder Heuristic Contest(AHC)の開催形式についてお知らせします。詳細なルールは、後日改めて発表します。
## 概要
今後数回の長期AHCは、生成AIを利用しない **Human Only 部門** と、生成AIを利用できる **With AI 部門** の2部門を同時に開催します。
* Human Only 部門では、短期AHCと同様に、開催中の生成AIの使用を原則禁止とする予定です。
* With AI 部門では、これまでの長期AHCの生成AI利用ルール([20250616版](https://info.atcoder.jp/entry/ahc-llm-rules-ja))を廃止し、生成AIを自由に使用できるようにします。これは、現在の生成AIは従来のルールの下でも「続けて」と連呼するだけで十分な性能を発揮でき、ルールは単に参加者の負担を増やしているだけで、人の貢献は増えていないと判断したためです。
* ただし、AHCはあくまで個人競技であるため、一般に公開されていないAIモデル・ハーネスのうち、自分以外の人が開発に携わったものの利用は禁止します(例:所属組織の非公開モデルや社内ツール、他の人から個別に提供されたハーネス)。自分だけで開発したものや、誰でも利用できるもの(有料のものを含む)は利用できます。
## 部門の選択
* 初回の提出時に、参加する部門を選択していただきます。
* その後は、Human Only 部門から With AI 部門への変更のみ可能です。With AI 部門から Human Only 部門へは変更できません。
## 順位表
* 順位表は部門ごとに分かれます。
* 相対評価の問題では、同じ部門内の提出のみを用いてスコアを計算します。
## レーティング
* 部門ごとの順位と参加人数に基づいてパフォーマンスを計算し、レーティングに反映します。
* この形式の With AI 部門が今後ずっと成立し続けるとは考えていないため、レーティング自体は部門ごとに分けません。
### パフォーマンス計算式の変更
これまでのAHCでは、アルゴリズム部門と同じパフォーマンス計算式を用いていました。この計算式には、参加者層が異なるコンテストの間でも成績を数値として比較できるという利点があります。
しかし近年のAHCでは、決勝大会などは Unrated で実施しており、Rated コンテストの参加者層に大きな偏りはありません。そのため、今後は従来の計算式を廃止し、参加人数と順位に応じた計算式を用います。
## GP30
### AHC074(年内開催)
* GP30 ポイントは、**Human Only 部門 : With AI 部門 = 0.67 : 0.33** 程度の配分で付与します。
* この配分は、以前実施した部門分けアンケートにおいて、レーティング上位者・GP30 上位者の希望する部門が偏っていたことを踏まえて決めました。
### 来年以降
* 来年以降のGP30については、年明けに改めてお知らせします。
* 不正対策の観点から、今年までと同じ形式では実施しない可能性が高いです。
### With AI 部門でGP30を獲得するための条件
With AI 部門でGP30ポイントを獲得するには、「AIを用いてどのように取り組んだか」を解説として投稿していただくことを必須とします。解説には、使用したAIモデル、ハーネス、どのように利用したか、スコアに寄与した指示などを含めてください。解説は実行ログを生成AIに読ませて自動生成しても構いません。
* 投稿がない場合も失格にはなりませんが、GP30ポイントは獲得できません。
* その場合、下の順位の参加者への繰り上げは行いません。
With AI 部門の競技では、どのようにAIを利用したかを成果物から確認することができません。その方法が各参加者の手元に隠されたままでは、コミュニティ全体の成長につながらないと考え、この条件を設けました。
GP30が不要な方も、ぜひご協力ください。
## 短期AHCについて
短期AHCでは、2部門制は実施しません。
短期AHCで生成AIを全面的に解禁した場合、競技時間が短いため、AIにすべてを任せることが多くの参加者にとって最善の戦略になると予想されるためです。短期AHCでは、引き続き[短期AHCの生成AI利用ルール](https://info.atcoder.jp/entry/short-ahc-llm-rules-ja)を適用します。
## この形式を選んだ背景
* 先に生成AIを全面的に禁止した短期AHCでは、参加人数が大きく減少しました。
* 「AHC GenAI Rules Trial Contest 2026」で試行したルールは、主に上位層の方から好評をいただきました。一方で、AIの性能面や、ルールの曖昧さ・複雑さについて否定的な意見も多くいただきました。特に初心者の方にとって、複雑なルールは参加の障壁になると判断しました。
* Trial Contest でいただいたフィードバックは、決勝大会などや、将来的に公式AIを利用できるようになった際のルール作りに活用します。
ご協力いただいた皆様、ありがとうございました。