公式
A - Art Irrationnel 解説
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A - Art Irrationnel 解説
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hos_lyric
(より詳しい解説は後日ブログで公開します)
\(1 : (1+\sqrt[k]{2})\) の長方形から始めて,以下のように新しい比の長方形を得ることができます:
- \(1 : x\) と \(1 : y\) の長方形が使えるとき,それらを並べることで \(1 : (x+y)\) の長方形を得る.
- \(1 : x\) の長方形が使えるとき,縦横を入れ替えることで \(1 : \dfrac{1}{x}\) の長方形を得る.
特に,\(1 : x\) の長方形が使えるとき,任意の正の有理数 \(q\) に対して \(1 : (qx)\) の長方形も使えます.
この方針で \(k = 3\) の解を得ることができます.\(a = \sqrt[3]{2}\) とおいて,以下のようにします:
- \(1+a\) が使える.
- \(\dfrac{1}{1+a} = \dfrac{1}{3} (1 - a + a^2)\) が使える.\(1 - a + a^2\) も使える.
- \(3(1+a) + (1-a+a^2) = 4 + 2a + a^2\) が使える.
- \(\dfrac{1}{4+2a+a^2} = \dfrac{1}{6} (2-a)\) が使える.\(2-a\) も使える.
- \((1+a) + (2-a) = 3\) が使える.\(1\) も使える.
この方針では \(k = 2, 4\) の解が得られないことも証明できます:\(1 + \sqrt[k]{2}\) から \(1\) が得られたら \(1 - \sqrt[k]{2}\) からも \(1\) が得られることになりますが,\(1 - \sqrt[k]{2} < 0\) からは負の数しか得られず矛盾します.
これはどんな方針でも \(k = 2, 4\) の解が得られないことの証明にはなっていませんが,一般に \(x \in \mathbb{R}\) に対し \(1 : x\) の長方形で正方形を作れる条件は「体拡大 \(\mathbb{C} / \mathbb{Q}\) における \(x\) のすべての共役元の実部が正であること」であると知られています:
- Freiling, C., and D. Rinne. “Tiling a square with silimar rectangles.” Mathematical Research Letters 1.5 (1994): 547-558.
- Szekeres, G., and M. Laczkovich. “Tilings of the Square with Similar Rectangles.” Discrete & computational geometry 13.3-4 (1995): 569-572.
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