公式

F - False Hope 解説 by MMNMM


高橋くんが数字を知る順番は \(9!=362880\) 通りあり、この \(362880\) 通りすべてが等しい確率で起こりえます。
よって、この \(362880\) 通りのそれぞれに対して高橋くんががっかりするかどうかを判定することができれば、答えを \((\) がっかりしない数字の知り方の総数 \()/(\) 数字の知り方の総数 \()\) として計算することができます。

がっかりするかどうかの判定は、縦・横・斜めの各列に対して「同じ数字が書かれたマスのペアがあるか」を判定し、存在していれば「同じ数字の \(2\) マスが先に見られたか」をチェックすることで実現できます。

実装例は以下のようになります。
今回の問題のように、すべての順列を探索する際には C++ における next_permutation 関数を用いると便利です。 next_permutation 関数は、与えられた配列の並べ替えを辞書順に並べたとき、与えられた配列の次に来るものを返します。 存在しないとき(\(=\) 与えられた配列が逆順に並んでいたとき)、false を返します。

cout はデフォルトでは小数点以下 \(6\) 桁までしか出力を行わないため、出力の誤差を \(10^{-8}\) 以下にするために設定を変更する必要があることに注意してください。

#include <array>
#include <iostream>
#include <vector>
#include <tuple>
#include <numeric>
#include <algorithm>

int main() {
    using namespace std;

    array<int, 9> cells;
    for (auto &&c : cells)
        cin >> c;

    // 縦・横・斜めの列の一覧
    vector<tuple<int, int, int>> row{{0, 1, 2}, // 上から 1 行目
                                     {3, 4, 5}, // 上から 2 行目
                                     {6, 7, 8}, // 上から 3 行目
                                     {0, 3, 6}, // 左から 1 列目
                                     {1, 4, 7}, // 左から 2 列目
                                     {2, 5, 8}, // 左から 3 列目
                                     {0, 4, 8}, // 左上から右下
                                     {2, 4, 6}};// 右上から左下

    array<int, 9> order; // i 個めのマスが何回目に開けられるか
    iota(begin(order), end(order), 0);

    int not_disappoint = 0, all = 0; // がっかりしない開け方の個数, 開け方の総数
    do {
        ++all;
        bool disappoint_flag = false; // この開け方でがっかりするかを判定
        for (auto &&[a, b, c] : row) // 1 列に並んでいるマス a, b, c について
            // マス a と マス b が同じ数字 && マス c が最後に開けられたらがっかり
            if (cells[a] == cells[b] && order[a] < order[c] && order[b] < order[c])
                disappoint_flag = true;
            // 同じ数字のペアが残り 2 通りの場合も同様
            else if (cells[a] == cells[c] && order[a] < order[b] && order[c] < order[b])
                disappoint_flag = true;
            else if (cells[b] == cells[c] && order[b] < order[a] && order[c] < order[a])
                disappoint_flag = true;

        // がっかりしなかったら、カウントを増やす
        if (!disappoint_flag)
            ++not_disappoint;
    } while (ranges::next_permutation(order).found); // 開け方を全通り試す

    // 10 桁ぶん出力するように設定
    cout << setprecision(10);

    // がっかりしない知り方の個数を総数で割って出力
    // 小数として計算する必要があることに注意
    cout << (double)not_disappoint / all << endl;

    return 0;
}

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