A - Sum of Reciprocals of Squares 解説
by
physics0523
小さな N について解の存在性を検証する
小さな \(N\) に対しての存在判定をマシンパワーなどに頼らずに検証する方法を示します。
公式解説 より、 \(N=k\) なる解から \(N=k+3\) なる解が構成できます。
また、一般性を失わずに解を \(A_1 \le A_2 \le \dots \le A_N\) であるような形に限定して議論します。
\(N=1\) であるとき \(A=(1)\) が解です。
\(N=2,3\) について、 \(A_i\) として \(1\) を採用することはできず、 \(A_i \ge 2\) なる要素から和への寄与が高々 \(\displaystyle \frac{1}{4}\) であり、和が \(1\) 未満にしかならないことから解が無いことが分かります。
\(N=5\) について、以下の議論で不存在であることを示せます。
概要: その時点で不確定な \(A_i\) のうち \(i\) が最小であるものについて、\(\displaystyle \frac{1}{(A_i)^2}\) が不確定な部分の総和のうち \(\displaystyle \frac{1}{(N+1-i)}\) 以上を占めていなければならないという議論を繰り返し適用します。
- \(\displaystyle \frac{1}{(A_1)^2} \ge \frac{1}{5}\) が必要である。このことから \(A_1 = 2\) と確定し、残りの部分の和は \(\displaystyle \frac{3}{4}\) である。
- \(\displaystyle \frac{1}{(A_2)^2} \ge \frac{3}{16}\) が必要である。このことから \(A_2 = 2\) と確定し、残りの部分の和は \(\displaystyle \frac{1}{2}\) である。
- \(\displaystyle \frac{1}{(A_3)^2} \ge \frac{1}{6}\) が必要である。このことから \(A_3 = 2\) と確定し、残りの部分の和は \(\displaystyle \frac{1}{4}\) である。
- \(\displaystyle \frac{1}{(A_4)^2} \ge \frac{1}{8}\) が必要である。このことから \(A_4 = 2\) と確定するが、残りの部分の和が \(0\) となることから \(N=5\) での不存在が示される。
\(N=6\) について、以下の議論で解をひとつ構築できます。
- \(\displaystyle \frac{1}{(A_1)^2} \ge \frac{1}{6}\) が必要である。このことから \(A_1 = 2\) と確定し、残りの部分の和は \(\displaystyle \frac{3}{4}\) である。
- \(\displaystyle \frac{1}{(A_2)^2} \ge \frac{3}{20}\) が必要である。このことから \(A_2 = 2\) と確定し、残りの部分の和は \(\displaystyle \frac{1}{2}\) である。
- \(\displaystyle \frac{1}{(A_3)^2} \ge \frac{1}{8}\) が必要である。このことから \(A_3 = 2\) と確定し、残りの部分の和は \(\displaystyle \frac{1}{4}\) である。
- \(\displaystyle \frac{1}{(A_4)^2} \ge \frac{1}{12}\) が必要である。ここで \(A_4=2\) を選択すると残りの部分の和が \(0\) になってしまうので、 \(A_4=3\) と確定する。残りの部分の和は \(\displaystyle \frac{5}{36}\) である。
- \(\displaystyle \frac{1}{(A_5)^2} \ge \frac{5}{72}\) が必要である。このことから \(A_5=3\) と確定する。残りの部分の和は \(\displaystyle \frac{1}{36}\) であり、これは \(A_6=6\) とすると達成可能である。
これで、 \(N=6\) である場合の \(A=(2,2,2,3,3,6)\) が構築されました。
ここで、 \(A=(2,2,2,2)\) と \(A=(2,2,2,3,3,6)\) が双方合法な解であることから、 \(2\) を取り除く代わりに \(3,3,6\) を追加する \(A=(2,2,3,3,3,3,6,6)\) も \(N=8\) であるような合法な解であることがわかります。
以上の議論を統合すると、以下のことが分かります。
- \(N \equiv 1\ {\rm mod}\ 3\) である時の構成可能な最小の \(N\) は \(1\)
- \(N \equiv 0\ {\rm mod}\ 3\) である時の構成可能な最小の \(N\) は \(6\)
- \(N \equiv 2\ {\rm mod}\ 3\) である時の構成可能な最小の \(N\) は \(8\)
- \(N=k\) なる解から \(N=k+3\) なる解が構築できる
これで、制約内の全ての \(N\) を網羅する解を得ることができました。
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