A - Chords and Checkered Editorial by maroonrk_admin
\(2\) つの線分が端点を共有していても,それらは交わっていると考えず,その端点は交点にカウントしないことにします. (これは弦の長さを \(-eps\) することに対応します)
適当な弦の集合を選んだときにできた適当な黒い領域について考えます.
この領域が円弧を含む時,円弧の端点にそれぞれ \(1/2\) の重みを割り当てることにします. この領域が円弧を含まない時,この領域の頂点であって,円の中心から最も遠い点が一意に定まります. この点に重み \(1\) を割り当てることにします.
以下,使う弦の集合をランダムに選ぶという設定だと考えます.
適当な弦の適当な端点に注目し,ここに割り当てられる重みの期待値を考えます. まず,この弦が使用されるか否かで確率 \(1/2\) がかかります. そして,それ以外の弦がどう使用されようと,今注目している端点近傍の \(2\) つの領域のうちちょうど \(1\) つが黒になるため,この端点には重み \(1/2\) が割り当てられます. 以上をまとめると,端点に割り当てられる重みの期待値は \(1/4\) とわかります.
次に,適当な \(2\) つの弦の交点に注目し,ここに割り当てられる重みの期待値を考えます. まず,この \(2\) つの弦が使用されるか否かで確率 \(1/4\) がかかります. 次に,円の中心とこの交点を区切るような別の弦が \(1\) つもないなら,この交点に対応する領域は必ず白になるため,重みは常に \(0\) です. 逆にそのような弦が \(1\) 個以上ある場合,確率は \(1/2\) で重み \(1\) が割り当てられます. 以上をまとめると,以下のようになります.
- その交点と円の中心を区切る別の弦が存在しない場合: 期待値 \(0\)
- その交点と円の中心を区切る別の弦が存在する場合: 期待値 \(1/8\)
\(2\) つの弦の交点の個数を \(I\),\(A_i+K \leq A_{i+1}\) をみたす \(i\) の個数を \(V\) とおきます. ただしここで,\(A_{N+1}=A_1+L\) とします.
ここで,交点であって,それと円の中心を区切る別の弦が存在しないようなものの個数は,\(N-V\) になります.
以上をまとめると,重みの総和の期待値は \(\frac{3}{8}N + \frac{1}{8}I + \frac{1}{8}V\) となります. よってこれを計算して \(2^N\) 倍した値がもとの問題の答えになります.
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