Ex - make 1 Editorial by kobae964

公式解説の補足

\(G(s,r)\) (\(\mathbb{F}_2\) 係数 \(s \times B\) 行列 \(A\) であって rank が \(r\) であり、\(vA = (1\ 0\ 0\ \cdots\ 0)\) なる \(s\) 次元行ベクトル \(v\) が存在しないものの個数) が \[ 2^{r(r+1)/2} \frac{[B-1]_2!}{[B-1-r]_2!} \binom{s}{r}_2 \] であることについて、補足します。

\((1\ 0\ 0\ \cdots\ 0)\) を含まない \(r\) 次元部分空間は \(\binom{B-1}{r}_2 2^r\) 個存在します。\(B-1\) 次元ベクトル空間 \(V_0 := \{v \in \mathbb{F}_2^B \mid v_0 = 0\}\)\(r\) 次元部分空間が \(\binom{B-1}{r}_2\) 個存在し、それぞれの\(V_0\) の部分空間 \(A\) に対して対応する \(\mathbb{F}_2^B\) の部分空間が \(2^r\) 個存在するためです。(直感的な説明: \(A\) の基底を取ります。基底のそれぞれの元に対して \((1\ 0\ 0\ \cdots\ 0)\) を足すかどうかで 2 分岐するので、全体で \(2^r\) 通りです。)

そのような \(r\) 次元部分空間 \(V\) を一つ固定した時、対応する \(A\) が \[(2^s-1)(2^s-2)\cdots(2^s-2^{r-1}) = 2^{r(r-1)/2} \frac{[s]_2!}{[s-r]_2!}\] 個存在することを示します。\(V\) の基底を \(v_0, v_1, \ldots, v_{r-1}\) (行ベクトル) としたとき、\(A\)\(s \times r\) 行列であって rank が \(r\) である行列 \(C\) を使って一意的に以下のように表せます: \[ A = C\begin{pmatrix}v_0 \\ v_1 \\ \vdots \\ v_{r-1} \end{pmatrix} \]

\(C\) の数え上げについては、\(C\) の要素を列ごとに定めることにすれば 0 列目は \(2^s-1\) 通り、1 列目は \(2^s-2\) 通り、…、 \(r-1\) 列目が \(2^s-2^{r-1}\) 通りなので、これで上の式が示せました。

以上から、 \[ G(s,r) = \binom{B-1}{r}_2 2^r 2^{r(r-1)/2} \frac{[s]_2!}{[s-r]_2!} = 2^{r(r+1)/2} \frac{[B-1]_2!}{[B-1-r]_2!} \binom{s}{r}_2 \] です。

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