公式

R - Delete and Divide 解説 by COOH2


局面 \((A_1, \ldots, A_{2n})\) において、\(A_1 \le \cdots \le A_{2n}\) とします。Bob が勝てる条件は、\(A_1, \ldots, A_{n+1}\) がいずれも奇数であること、かつ \(A_{n+2}, \ldots, A_{2n}\) において、偶数 \(A_e\) が存在すれば、ある \(2^k\) があって \(A_{n+1} < 2^k \le A_e\) となることです。

条件を満たす局面全体の集合を\(P\), 補集合を\(N\)とします。\(P\) に属する局面からは1手で必ず \(N\) に属する局面になることと、\(N\)に属する局面からは\(P\)に属する局面にする着手が少なくとも1つ存在することを示します。

\((A_1, \ldots, A_{2n})\in P\) とします。このとき、着手の結果 \((B_1, \ldots, B_{2n})\) (\(A_i\) と同様に昇順に並んでいるものとします)も\(P\) に属するためには、\(B_1, \ldots, B_{n+1}\) がいずれも奇数である必要があります。奇数を2分割すると奇数と偶数のペアになるため、どれかの偶数を分割しないと奇数が \(n+1\) 個存在する局面にすることができません。よって、\(2^k \le A_e\) なる偶数 \(A_e\) を分割して2つの奇数 \(B_i, B_j\) を得、かつ \(i, j \le n+1\) となるように分割できる必要があります。一方、\(n\) 個の要素を分割するので、\(A_1, \ldots, A_{n+1}\) という奇数のうち、最低1個は選んで奇数と偶数のペアに分ける必要があります。このとき、得られる偶数は高々 \(A_{n+1}-1\) です。よって \(P\) に属する条件を満たすためにはある整数 \(r\) が存在して \(B_i, B_j < 2^r \le A_{n+1}-1\) となる必要があります。しかし、\(B_i+B_j = A_e \ge 2^k\) であるので、\(\max(B_i, B_j)\ge 2^{k-1}\) ですから \(r > k-1\) となり、一方 \(A_{n+1}<2^k\) なので \(r<k\) である必要があります。条件を満たす整数 \(r\) は存在しないので矛盾し、\(P\) に属する局面から \(P\) に属する局面にすることはできません。

続いて \((A_1, \ldots, A_{2n})\in N\) とします。このとき、

(a) ある\(i \le n+1\)が存在して\(A_i\)が偶数

となるか、

(b) \(A_1, \ldots, A_{n+1}\)がすべて奇数だがある\(i > n+1\)が存在して\(A_i\)が偶数となり、かつ\(A_i < 2^k\)

となるかのいずれかです。

順に説明します。

(a) の場合は、\(A_i\) を \((A_i', A_i'') = \left( \frac{A_i}{2}, \frac{A_i}{2}\right)\) または \((A_i', A_i'') = \left( \frac{A_i}{2}-1, \frac{A_i}{2}+1\right)\) と奇数のペアに分割し、\(j > n+1\) となる各 \(j\) について、\((1, A_j-1)\) と分割します。 得られた数を小さいものから順に並べると、\(1\) が \(n-1\) 個あり、その次に奇数が \(2\) 個あり、続いて \(A_{n+2}-1, A_{n+3}-1, \ldots\) が並びます。ここで、\(j > n+1\) となる \(j\) について、\(A_j-1\) が奇数であれば \(P\) となる条件を満たしているし、偶数であったとしてもその場合は \(A_j\) が奇数であるので、\( A_i', A_i'' < A_i \le 2^r \le A_j - 1\) となる \(2^r\) が存在します。

(b)の場合は、\(A_i\) を \((A_i', A_i'') =\left( \frac{A_i}{2}, \frac{A_i}{2}\right)\) または \((A_i', A_i'') =\left( \frac{A_i}{2}-1, \frac{A_i}{2}+1\right)\) と奇数のペアに分割し、\(j \ge n+1, j \neq i\) となる各 \(j\) について、\((1, A_j-1)\) と分割します。得られた数を小さいものから順に並べると、\(1\) が \(n-1\) 個あり、その次に奇数が \(2\) 個あり、続いて \(A_{n+1}-1, A_{n+2}-1, \ldots\) が並びます。仮定より \(A_{n+1}-1\) は偶数ですが、もともとある \(2^k\) が存在して \(2^{k-1} < A_{n+1}, A_i < 2^k\) だったので、\( A_i', A_i'' < A_i \le 2^{k-1} \le A_{n+1}-1\) となり、\(P\) となる条件を満たしています。よって \(n+1 < j\) なる \(j\) について \(A_j-1\) が偶数だったときも条件を満たします。


このゲームは削除 Nim の一般化(\(N=1\) が通常の削除 Nim に該当)で、削除 Nim には様々な亜種が知られています。

例えば他にも以下のような一般化が知られています:

  • \(N\) 山のうち \(N-1\) 個を削除し、残った \(1\) 個の山を非空な \(N\) 個の山に分割する。

  • \(N\) 山のうち \(1\) 個を削除し、残った山のうち \(1\) 個を非空な \(2\) 個の山に分割する。